
2020年の1月、もし誰かが「今年の夏にイタリアに引っ越すでしょう」と言っていたら、いやいや、ご冗談も程々にお願いします、私たちベルギーに居ますから、って信じなかったと思います。
イタリアに引っ越す、と決まったのも6月の末。
そして2ヶ月で引っ越してきました。
突然すぎて、何も準備してませんでしたが、イタリアってこんな所なんだ、と毎日が発見の連続です。住んで1ヶ月、こんな事気がつきました、という点を挙げてみたいと思います。
1)ひんぱんに迷子になる。
ヴェネチアでの買い物は、迷子になります。
「あ、あのお店ちょっと帰り道によってみよう」という場所が、見つかりません。
徒歩5分のスーパーに出かけたのに、スーパーが見つからない、とかも日常茶飯事。
ナゼなら、
あ)Google mapが変な表示になっているから。
い)入れた住所の場所にお店がないから。
う)道が複雑で、方向感覚を失う、覚えられない
例えば、Campo Santa Margaritaというバーやレストランがたくさん集まる感じの良い広場があるんですが、Google Mapに入れると、こんな感じ。
サンマルコから21分、と出てますが、よくよく見ると赤で囲った部分、ワープしてるんです。遠くまで行って、ワープするんです。笑

家から近いスーパーに行って見たら、スーパーがない。
子供のバレエの習い事に連れて行ったら、住所の場所にはバレエ教室がない。
家具屋さんを調べて歩いたら、ない。
近くのお店に入って聞くと、大体「それはあっちだよ」と教えてくれるので、流石に慣れましたが、なんか「イタリアっぽいね」って納得する出来事。
住所が全然あてにならない理由は、地元の人が使う住所と、グーグルで通用する住所が違う、という点。
グーグルでは道の名前+建物の番号で検索します。
でも同じ道の名前がたくさんあるんです、ヴェネチア。
だから地元の人は、エリアを分けた名前+4桁の建物番号という方法を使います。

私たちが最初にアパートの契約書の住所を見たとき、それをグーグルに入れても出てきませんでした。道の名前+家の番号を入れると、あ、ここだ、と出てきます。
要するに、ヴェネチアで使っている住所の入れ方が、グーグルさんには繋がっていないから、こうやってスーパーがなかったり、バレエ教室がなかったりするんです。
独自のシステムの方が確かに分かりやすくて簡単、だけど世界のスタンダートと違う。
イタリアっぽい発見です。
2)何をするのも時間がかかる。
ビザが降りるのに時間がかかる。
郵便物も遅れたり、届かなかったり。郵便局で切手を買うのに時間がかかる。
買いものも移動手段が徒歩なので時間がかかる。そしてその行き帰りで迷子になる。
お昼の間はお店が閉まっていたり、(個人商店は1時から3時半まで閉まります)
ご飯を食べにいくと2時間くらいかかる。
ちょっとお昼行って、買い物行ってくる、で半日つぶれます笑
たくさんの事を一日でこなす事が出来ません。
でも急いでやる必要の仕事も少ないので、その分ゆったり出来るのは良いのかな?
3)アクア・アルタ
元々はイタリア語で満潮を指す言葉だそうですが、水位が高くなって街の至る場所が浸水する事です。ニュースで見た事あるし、去年はサンマルコ広場で泳いでる人がいるくらい浸水したヴェネチア。
一回アクア・アルタになると、ずっと浸水しているのかな、と思いきや満ちている時だけ浸水するので約2時間くらい、水位が高く、その後には水が退きます。

プールの監視員のおじさんに教えてもらったアプリがHi! Tide。
どのエリアが現在、どれくらいの水位状態なのかすぐ分かるアプリです。
雨続きのサンマルコエリアは80CM
危険度黄色です。
午後の4時になれば、また水が引く予定です。
サンマルコ広場は長靴を履く地元の人、お店はモップで上がってきた水を拭いていました。

街のあちこちで仮設歩道が設置されています。水位が高い時はこの上を歩いて移動します。

運河沿いの一階のおうちは水が入っている模様。
ホテルなんかは一階なし、という所が多いそうです。

4)観光金額と、地元金額
最初にヴェネチアきた時は、「水上バス高い〜!」と思いました。だって一回7.5ユーロ。
75分券なので10分乗っても1時間乗っても同じ金額。
24時間有効で20ユーロ
48時間で30ユーロ
1週間で60ユーロ。
ヴェネチア市民は10ユーロ払うと、ヴェネチアウニカ(VENEZIA UNICA)カードを発行できて、五年有効です。これを持っていると10回券が14ユーロに。
でも私たち、引っ越してきて、アパートの契約書サインしたヤツを持っていたったら、「警察に住民登録を出して、彼らがアパートに住んでいるか確認に来たって証明書が出たら住民価格でカード出せるんだよね」だそうです。
そもそも、まだビザ待ちの私たち家族は、その住民登録証明がいつ手に入るか分からない。
でも100ユーロ払うと同じようにヴェネチアウニカカードがもらえるんです。
最初の一週間は60ユーロ払いましたが、諦めて100ユーロづつ(計300ユーロ)払ってみんなカード作ってもらいました。
これだったら、最初に来た時に作っちゃえば良かったなー、なんて。
もし五年間の間、ヴェネチアに三週間以上滞在するのであれば、カード作った方がお得、かもしれません。必要なのはパスポートのみ。
レストランやカフェもそう。
観光客が多いエリアはコーヒーが10ユーロする場所もあれば、裏道にあるカフェでは1ユーロ。バーの周りで立ったまま飲むと安いんです。着席するとそれだけでお金がかかります。
一生の思い出だから、とサンマルコ広場でコーヒーが飲みたいわ、と思うかもしれませんが、ちょっと値段を確認してからの方が良いかもしれません。
この間、サンマルコ広場の裏手にある公園内のillyが素敵、と聞いたので、娘を学校に送ってからパソコンを持って、コーヒーと朝ごはん(クロワッサン)を注文。
本当に綺麗な中庭で、お客も私一人。
あら、優雅だわ、なんて思ってたら値段も超優雅。
カプチーノが7.5ユーロ、クロワッサンが5.5ユーロ。計13ユーロ。
うちの下のカフェ(サンマルコ広場から2分)で立って同じものを頂くと2.8ユーロです。
素敵なんですけどね。毎日はむりだなーー。
しかも公園の中はベンチがいっぱいあるので、うちの下でテイクアウトのコーヒーを頼んでここで飲んでも一緒?!
5) ルールや決まり事はどちらかというとガイドライン。
ヴェネチアのゴミ収集は車がないので人力車みたいな、リアカーを引いて、家の前を通るとピンポンを押してくれて、下にゴミを持っていくという仕組みになっています。
8時半より前にゴミを出したい場合は、この場所に行けば、船があってそこに直接、捨てられます、と。

引っ越して数日してから、いくら待ってもピンポン鳴らないから、8時半前に、このポイントに行ってみたわけですよ。
そしたら船いないんですけど。笑
3カ所行きましたがどこにもいない。
うちの大家さんに聞いてみたら、「8時半以降に道に置いておけば持っていってくれるよ」と。
でも規定を読むとね。


まずね。英語と日本語で書いてある事が違う。
日本語では6時半から8時半の間に船に持っていって、それができない場合、直接、清掃員に渡せと。
英語では8時半から12時半の間に清掃員がピンポンを鳴らすからその時に渡せと。
で、道には絶対に置くな笑。罰金の対象になる。
うちは一回もピンポン鳴らしてくれた事がない。どおするのさ。
でも大家さん曰く、朝、置くぶんには良いんだと。
その清掃員の回収もみてると、やっぱピンポン押すエリアはちゃんと押している。
でもうちは絶対押してくれない。
きっちりやりたい日本人の私にはどうすればいいのよ!ってまだ悩んでます。
うちの下、カフェなんですけど、キッチンとうちの玄関が繋がってるんです。だから彼らのゴミと一緒に出してもらえる時もあるんですけど、それも毎回一緒に置いちゃっていいの?どうなの?
なので、罰金に怯えながら、毎日9時くらいにゴミ袋を路上に出しています。
こういうのも「どっちでもいいんじゃない?」って思える人の方が、やっぱりイタリア生活、向いている気がします。
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