
私たち夫婦はお酒大好きです。
イタリアに着いてからは特にワインをよく飲むのですが、ほぼ毎日の様に何かしら飲んでます。
イチローも引退してからのインタビューで、「結構飲むようになりました。毎日飲んでます。アルコールを入れない日はないです。必ず飲みます」
うちもそうそう、と思いながら見てました。笑
「終わってからはワインが多いです。外に出るとビール。食事のスタイルというか種類にもよりますけど、現役中はビールが多かったです。外ではイタリアンに行けばワインも飲むし、日本酒も飲むし」 「まぁ、最終的には飲まれてるんですけどね、お酒に」 インタビューより抜粋。
うちも酒は雑食、というのか雑飲?なんでも飲みます。
ベルギーではビール。 → 美味しいベルギービールの検証
フランスでは赤ワインを主に飲んでました → フランスは地域でワインを注文する
イタリアに越してきてからはもっぱら白ワインかスパークリングワイン!
今回はイタリアンワインについて書いてみようと思います。
私たちが住むヴェネチアはヴェネト(VENETO) 州です。
ブーツの形で言ったら太ももの裏らへん。

シーフードが有名なので、やはりベネト産のワインは白の方がよく飲まれる、印象があります。

でも実は、イタリアの最高級赤ワイン、アマローネ(Amarone)もヴェネト州です。(むふふ)
アマローネは安くても一本20〜30ユーロ。年期が立っている物などは60ユーロ〜100ユーロします。
レストランで飲むとやっぱり50ユーロ以上します。
日本の楽天でも三千円くらいから、高いと1万以上します。
同じ銘柄なのになぜ値段に幅があるのか?
ボトルの上をよく見てみると、紙切れが巻かれているボトルと巻かれていないのがありますよね?色も微妙に違う。これが「格付け」されていて、格付けが上の方が高くなります。格付けがついてなければ紙切れも巻いていません。(この紙切れををガランティータ、と言います)

DOCG・DOG・IGT の”格”の種類があります。
もし同じ値段のボトルが2つ並んでいたら紙が付いている方が格がある、という意味です。

この格付けは重要なの?ガランティータ(紙)がついていた方が美味しいワイン?
もちろんワインの味は、自分の舌に合っていれば安いワインでも美味しいです。この格付けは「美味しいワイン」に付いている、というよりは、規定に基づいて作ってあるか、が評価の対象になります。
例えば、このアマローニ地方のブドウで作られているか、85%以上使われていたらIGTがもらえます。地域のブドウが不作で、隣町のブドウを買って作りました、といえば、いくら熟成方法や瓶詰めが規定通りでも格付けがもらえません。
格をもらうためにはまず、商工会議所のメンバーに登録する必要があります。これには年会費がかかります。そして審査に来てもらうためにもお金がかかります。審査に来てもらったが規定外であれば格付けも貰えません。
一度、家族経営の小さなワイナリーでそんなに本数を製造していないところにワインのテスティングに行った時に、この年会費と審査費がやはり高すぎて、父の代には格を付けず、テーブルワインで製造していたと。息子さんの代に変わった時に、輸出を目標にまた商工会議所に登録しなおして、今ではIGTとDOCのワインを含めた年間8000本を生産しています。
もちろん格が付けば、同じワインでもそれに上乗せして高く売れる事になります。
格はその地域の根付いた、ワイン、規定範囲内しか添加物を混ぜずにピュアなワインを製造している、という指標になっています。
私たちがよく飲むワイン
ヴェネチアについてからはワインの量り売りのお店でワインを買ってます。Vino sfusoというお店がヴェネチアにはたくさんあって、一リットル2.5から3ユーロでワインが買えます。

ここで売られているワインはテーブルワインの部類に入ります。
私たちがよく買っている「VINO BIANCO FRIZZANTE」はスパークリングワインで一リットル2.8ユーロ。財布に優しすぎてヤバイです。
安いからまずいのか、と思いきや、実はスパークリングワインの有名なプロセッコ(Torevizo市、これもヴェネト州) の分類に昔は入っていたけれども、格付け外になってしまった地方です。なので味はおすみつきです。プロセッコは一本安ければ5ユーロ、基本10−15ユーロですが、格付けやブランドにこだわらなければ、このように、量り売りの安くて美味しいワインが手に入ります。
ヴェネチアでよく飲むカクテル
ヴェネチアではSpritzというカクテルをみんな飲んでいます
プロセッコ(スパークリングワイン)x1
アペロル x1(カンパリでもOK)
炭酸水(入れても入れなくても良い。)x1

地元民に愛されているスプリッツ。
どれだけ愛されているかというと、みんな朝から飲んでます。笑
フランスのワイン、とイタリアのワインの違い。
ざっくり言うと、イタリアのワインの方が直球な感じ。
フランスのワインの方が複雑な味の絡みがある。
料理を見てみても、イタリアンって結構シンプルな材料を混ぜて作るパスタや、魚だったらレモンを絞って食べる、など、素材の味を生かした料理が多いです。
フランス料理は必ず、ソースがついて来ます。素材の味をそのまま、と言うよりは、それを調理して、他の材料の入ったソースを混ぜた時にどんな味が生まれるか、複雑な味を目指しています。
だからイタリアのワインは分かりやすい、ストレートな味。
フランスのワインは飲んでいる途中でいろいろなフレーバーが複雑に絡まる、味があるのです。
どちらが良いかは好みです。

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イタリアの北部の山の方では寒い天気に強いブドウで作ったワインや、シチリア島の眩しい太陽をたっぷり含んだワイン、上記で紹介したアマローネの様にブドウを収穫した後に干して、さらに甘みと深みを強くしたブドウを使って作るワインなど、地域によって特徴があります。
フランスのワインは、他の国(イタリアも含め)より厳しい基準が設けられています。他のブドウを混ぜたり、添加物のを混ぜて良い量(例えば味をよくするSulfateの基準量)が低く設定されています。前年度のワインを混ぜることも禁止です。(イタリアのテーブルワインで売るなら品種や年度を混ぜる事も可)そして水田を引いて水をやる事も禁止です。(テーブルワインで販売するときは8月15日までなら可)。
経験から行くと、フランスのワインの様に必要条件が多い分、移動や輸出にも弱い気がします。
フランスでよくお世話になっていたワイン屋さんからアメリカや日本にお土産でワインを持っていくと、どうも味が同じではないんです。そこは特にビオワイン、と言って食品添加物が一切入っていないワインが豊富でした。
オーナーの方に聞いてみると、飛行機に乗せて他の国に持ち出した時に、気圧の変化や、移動で味が変わってしまうんだとか。もし輸送するなら最低、1ヶ月はワインセラーに保存してから飲んで下さい、との事でした。
逆に規定の”緩め”なイタリアワインは移動に強いです。
お土産に買って、日本に持ち帰るなら断然、イタリアン・ワインの方がオススメです。
アメリカ産のワインの特徴
カルフォルニア産のワインのブドウって、元々フランスから輸入したブドウの品種が使われていて、その品種はフランスの方では病気になってしまい、50%以上のブドウが使い物にならなくなったためにアメリカからまた逆輸入をしたそうです。現在のフランスにあるブドウは元々あった品種をアメリカに輸出して、それをまた再度輸入したもの、です。
フランスやイタリアのワインは地域によってブランドが決まるのに対し、アメリカのワインは、ブドウの品種によってワインが決まります。
例えば、カルフォルニアの赤ワインだったら、カルフォルニア産、の中でも、ピノノワール、メルロー、ソーヴィニオン、カベルネ、シラーなど、ブドウの品種が選べます。
これはカベルネ・ソーヴィニオンの美味しいワイン、トップ10。

ブドウの品種で選ぶ様になったのも、最初にフランスからブドウの品種を輸入した時に、色んな地方から様々な品種を輸入したのを まとめて栽培したので、フランスのたくさんの地域から集まったブドウが一箇所に栽培されたてしまったのです。だから区別をするにはブドウの品種しか無かったのです。これがアメリカ特有の「ブドウの品種でワインを決める」方法になったのです。
以前、パリで「メルローのワインを頂戴」とバーテンダーに言ってたアメリカ人がいて。それに対しバーテンダーは「どこの赤ワインですか?うちではブルゴーニュ、ボルドー、ローヌがありますが?」と聞き返して、「どこでも良いわよ、私はメルローが飲みたいの・・・」(しかしですね、3種類あるんですよ・・・続く)という会話が続いているのを横目でクスッと見てました。
南米(チリやアルゼンチン)のワイン
安くて美味しい、南米のワインが最近よく目に付きます。香港にいた時にはフランスワインの3分の1の価格で売られていて、味もそこそこでした。
安い、南米のワイン、特に赤ワインの問題は、フランスやイタリアみたいにワインを作るときの厳しい基準がない事。
味をよくするSulfate(添加物)や砂糖を入れて味をよくしています。ワインを自然発酵させて、というよりは料理に近い傾向があります。
飲んでいる時は美味しいのですが、次の日に二日酔いになったり、頭痛がしたりするのもこういった安いワインです。飲み過ぎに注意です。
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