
もう8年くらい前の話なんですが。2001年のテロの前はどこの船会社も一日50ドルくらいで一般乗客を乗せていたみたいなんですがセキュリティーの関係で今は働く人しか乗せないようになったそうです。
運よく私は船会社に勤めていたので乗船研修というのがあって、数あるルートの中から自分でこの港からこの港で乗りたいのですが!と船長にお願いして乗せてもらうというものが研修の一貫であったのでコンテナ船に乗ったことがあります。
私は近場で、と東京勤務だったのですが東京から乗ると確か、横浜・清水・神戸でそのあと台湾、タイ、という航路で時間等の都合がついたのが神戸から台湾の航路。
飛行機だとすぐなのに船で行くと3日かかります。
乗り込んだ船はまずでかい。全長300メートル!

船に乗るときはこの階段を使って乗ります。ギャングウエイっていうそうです。

港に入港するときは船が大きすぎて舵が回らないのでタグボートという小さい船が前後について船を操縦してくれるんです。あ、うしろのハンジンの船社は去年潰れたのである意味貴重な写真。

この大きなクレーンがガントリークレーンと言って船からコンテナを乗せたり下ろしたりします。ガントリークレーンの真下にトラックがコンテナを持って来てそのコンテナを船に乗せます。コンテナ船も80年代から現れて、その前まではバルク船と言っていろんな箱に詰めるだけ詰めて、サイズも形もバラバラだったので船が入港してから出航まで1週間くらいかかったのが今では半日とかでコンテナ下ろして載せる作業が終わるんです。ロサンゼルス港は確かクレーンなんかも全自動。


ここが操縦室。面舵いっぱーいみたいな大きな舵はなく、ゲームのコントローラーみたいなサイズの舵が一つ。前方で帽子を被ってるおじちゃんが”パイロット”と言って船が入港するときと出航する時に操縦を手伝ってくれる人。「右に1度」とか「左に3度」とか指示をしてくれるのでそれに沿って船を操縦して安全に港から出してくれるお仕事。
2時間くらいすると「じゃ、俺はここで。」
と言って船にくっついて来てたモーターボートにギャングウエイから飛び乗って去っていきます。入港するも同じでモーターボートでやって来て入港までを手伝ってくれます。現地のコントロールタワーやタグボートに現地の言葉で指示できるので良い。(日本だったら港で働いてる人は日本人だけど入港する船は世界各国のクルーがいるので。)
神戸港を出航してからは3日何してるか、というとあまりすることなく。
乗員はシフトの時間内は
*運転。沖に出てしまえはほぼオートパイロットで近くに船が通る時には舵をとります。
*航路の確認(1時間おきにチャートをみてそれを予定航路と照らし合わせる)
*メンテナンス・エンジンルームでは壊れた部品とかを直したりしてました。
*その他チェック。毎日、毎週、毎月壊れていないかチェックする項目があるのでレスキュー用浮き輪、火災報知器(これをチェックしてる時に違う部屋の報知器をオフにし忘れて船中大パニックになった)。
船長が「停泊している時にはモーターボートとレスキューボートなんかもチェックするんだよ。そうだ、台湾でやってみる?」
と軽々しくオファーしてくれたので台湾到着後に運転させてくれることに!
モーターボート下ろしている様子。タイタニックみたいだなーと思いながら見てました。

船長。超いい人でした。

右のオレンジの小さな船がレスキューボート。船員全員が乗れるサイズ。24人乗り?

操縦席。
これも運転させてくれましたw
まぁこの乗船研修はとてもいい経験になりました。こんなモーターボートとかで遊んでたせいで(点検してたんですけどね!)台湾オフィスでは「あれ、日本から来るはずの子がまだ船から降りてこないんだけど」とちょいパニックになってたらしいです。