top of page

ソーシャルワーカーから一転、期待の小説家へ!

ENGLISH VERSION




皆さん一度は小説家になりたいと思った事がありますか?私はあります笑


今回のインタビューはそんな夢を叶えたサンフランシスコにお住いのSarahさん。旦那さんとお子さんと一緒にサンフランシスコに4年前に移住する前はパリに2年半、テキサスに1年半住み、その前はニューヨークで10年間ソーシャルワーカー*として仕事経験があります。


*(ソーシャルワーカーとは、社会生活におけるさまざまな問題を抱えている人たちの相談を受け、解決のために適切な助言や援助を行なう仕事のことです。Sarahさんは児童支援を担当していたそうです。)


2016年に出版したデビュー小説、[BAD KID]はEdgar Awardと言うアメリカの小説界ではとても名誉である最優秀児童小説部門にノミネートされて一躍有名になりました。


ソーシャルワーカーから期待の小説家!そんな彼女にインタビューしてみました。

1)あなたのお仕事はなんですか?どのように本を書きますか?

児童小説を書いて居ます。年齢層は8−17歳向けです。


デビュー小説の[BAD KID]は私自身が書いた3冊目の本です。1冊目と2冊目に書いた話を織り交ぜてこの小説の始めに使いました。今までのソーシャルワーカーとして、青少年を手伝う機会が多く、色々な子供達やその家族と関わったおかげで、キャラクターの構成などに生かせています。

2)何がきっかけで小説を書こうと思いましたか?

普段から日記を書いていましたが元々小説を書きたい、と言うよりは子供の絵本の挿絵を書きたかったんです。イラストは得意だったので挿絵は出来るけれどもストーリーが書けなければ意味が無いな、と思って2005年にニューヨーク大学で児童書の書き方、と言う授業を受け始めたのがきっかけでした。


ソーシャルワーカーの仕事がキツくてクタクタになっていた頃で、比較的荒れている家庭の担当をしていたので精神的にも疲れていました。仕事のストレスを軽減させて、リラックスする為に授業を受け始めたわけです。


最初に出されたのが


「小さい頃の思い出を数段落、書いてきてください」


と言う課題でした。数段落書き始めたら止まらなくなり、のちに数ページになり、1ヶ月経った頃には小説を一冊書き上げていました。


今までフィクションの小説を書いた事なんてなかったのですが、こんなに楽しいなんて! この時に書いた最初の小説は手直しをしたものの、出版するまでには至りませんでした。2冊目も書き終えたは良かったものの何処を手直ししていいのか分からず、3冊目の本がデビュー作として出版されてこの「BAD KID」になった訳です。


出版に至るまでの道のりも楽では無く、元々付いていた出版社のエージェントとはあまり意見があわず、たまたまボランティアしていた出版社の方に「ちょっと時間がある時に読んで見て感想を聞かせて欲しい」といってお願いしたエージェントに気に入ってもらえて運よく出版という形になりました。


この出版社には毎月、何冊もの応募があって、良い小説があるかどうか読んでみるお手伝いをボランティアでやっていました。自分の書く力が伸ばせるかなと思って始めた仕事がこうして実際に出版に繋がったのはとても光栄です。

3)あなたが書く本に自信があるポイントは?

第一に興味深いキャラクターを描く事です。ソーシャルワーカーとして数々の子供達や家族と対面した時に思ったことは、表面上のステレオタイプより、人は掘れば掘るほど、想像していたより50倍は面白い!と感じました。


脇役の登場人物でも、きちんとキャラクター構成をし、(育ちや性格)興味深いキャラクターを作る事で、読んでいく中でのサプライズ要素を増やしています。


ソーシャルワーカーとして10年働いてきた中でたくさんの子供達やご家族と接し、実際に住んでいる場所へ行く機会で、色々な境遇を目にしてきました。その中で家族の強さ、ゴール、試練や夢を見てきた経験から言える事は、子供たちは大人が思う以上に勇敢で、様々な試練にも耐えることが出来ます。


辛い境遇に居る、毎日どう生きていいか分からない、といった悩みや家族の経験を活かして書いたこの物語が誰かの助けになってくれればと考えます。

Screenshot 2018-09-04 10.43.35
4)小説家として働くのと、会社員として働くのはどう違いますか?

会社員や、誰かの元で働く場合、時間と労働力と引き換えに毎月決まった額のお給料が入ってきます。私には毎月決まったお給料が無い代わりに時間があり、自分でやりたい仕事、プロジェクト、や創作系の仕事など自分でコントロールして出来る点はものすごくやりがいがあります。


すごく充実した気分の日もありますし、

誰かに給料出してもらっていた時の方が楽だったなと思う日もあります。


本が書き終わった後には出版社のエージェントから、ここを変更した方がいいなどのコメントを頂いて、直しに入ります。読んでくれた方のコメントは出来るだけ素直に受け取って変更して見ます、そうする事でより良い本になると信じて居るからです。


時間が沢山あるけれどもそれが全て創作や小説を書く時間になるわけでもありません。まだまだ習うことも沢山ありますし、手で何かを作ったり、児童小説だけでは無くて他のジャンルの書く練習・プロジェクトをやってみたり(詞や大人向けの小説)、ビジュアルアートをやったり、運動したり(運動すると頭がスッキリして問題解決に繋がる)もちろん本を読む事も!


こういった作業自体はお金になりませんが、ちょっとづつの積み重ねでより良い文章を書ける様になると思っています。


後は1人での時間が多いので、やはり寂しくなりますね。周りと連絡をまめに取る様にしています。他の小説家の方や友達などと話をしたり、夕飯を食べたり、散歩に行ったり、他人と一緒に過ごす事を大事にしてます。

5)今までで一番為になったアドバイスは?
もしくは若き頃の自分にアドバイスするとしたら?

一番早く良いものを創作する方法は、他人に見せてフィードバックをもらう事。フィードバックを恐れてはイケない、という事を若い頃の自分に言ってあげたいですね。他人からどう見られているのか気にし過ぎる前に、作品をどんどん色々な人に見せて行った方が完成品に近くと思います。


色々な意見を参考にして、人からのダメ出しにも慣れて、フィードバックをもらうという事は小説家の生活の一部です。そのフィードバックをいかにも活かせるか、大体の人はその作品をより良くしようと思っているので思っていたほど嫌なフィードバックはありません。

後は時間を有効に使う方法のアドバイスとしては、創作意欲が無くても、会社員がオフィスに向かうのと同じでとりあえず朝机に向かう。(誰も見てませんが)そして誰かがお給料を払ってくれているのをイメージして何か書いてみるというのをやっています。真剣にやれば結果が付いてくるし、サボっていたら何も書けません。

6)その他に趣味や休日の過ごし方などあれば教えてください。

私は趣味が多いんです笑

ガーデニング、絵を書く事、縫い物、自然を楽しんだり、ビーチに行ったり、料理をする事も大好きです。例えば夕食会でみんなに美味しい料理を食べてもらったりするととても幸せです。レストランで食事をし、美味しいワインを飲む事も好きです。週末に友人と旅行に行ってバーベキューしたり、子供と沢山遊んで笑ったりするのも最高です。理想の週末は友人たちと家族と、沢山食べて、遊んで、たまには喧嘩して。夜にはみんなでダンスパーティー!できたら最高ですね。


行った事ない国へ旅行に行くのも好きです。歩いて新しい街を散策したり。後は手紙を書く事も好きです。あえて手書きで書くのが良いんですよね。


最近始めた趣味は木のスプーンを掘る事。今の家では庭が広くないのでガーデニングが出来ない分、木のスプーンを掘る事で自然に触れている!気がするんです。

Screenshot 2018-08-30 16.07.46

The Bad Kidはこちらのアマゾンで購入可能です!

インタビューは以上になります!英文で書いて頂いたインタビューの原文はこちら

Sarahさんのホームページはこちらになります。

さいごに

もともとは挿絵を、絵本を描きたくて、絵本の文章を学ぶ為に始めた事がこんなに素敵な職業に発展するとは大したものです!


Sarahさんとお話していて、本当に趣味多彩な人だな、と感じました。私の娘は5歳なんですが、可愛いスカートを作ってくれたり、色鮮やかなバックを作ってくれたり。私たちにも木のスプーンを掘ってくれたり、夕食には中東のタジーンと言われるお鍋で作ったラム肉のシチューをご馳走になったり。とてもお世話になりました。


フィードバックを恐れず、自分の作品をどんどん出した方が良いというのもとても参考になりました。このブログを書くときも、どこまで書こうかな、こんな事書いちゃって良いのかな、なんて気にしていますがあまり考えずに、フィードバックを恐れずに書いた方が良いんだな、と感じました。


私が主観的に考える「読みたいか読みたくないか」は読み手が決めれば良い話で、私は自分が書きたい事を書く必要があるのだな・・と。深いです。


その他にも参考になった点は、Sarahさんが常に今より良い文章を書くには、と考えて行動に移している点。より良いものを作り上げる為に他のジャンルを書いてみたり、人の作品を読む時間を設けたり。自分が伸びる為には吸収も必要と考えています。常に自分の仕事の事を考えつつ、感性を磨く為に全然関係のない事をする。そうすると完成品により一層味が出るとはみんな知らず知らずやっていそうな事ですが、そう言った時間を割り当てているとはさすがです。参考になりました!

 

その他のインタビュシリーズは

第1弾はこちら→ 「フリーランスからIT企業の社長になった話

第2弾はこちら→ 「勤め先から押し出され開業、流行りの治療院を営む夫婦の話

第3弾はこちら→ 「イギリスから韓国に移住、会社を立ち上げて奮闘中!

第4弾はこちら→ 「社長が急に亡くなり28歳で会社を引き継ぐ事になった女社長

第5弾はこちら→ 「日本初のナポリ料理の出店をこぎつけた女社長の話」

#インタビュー #インタビュー記事 #小説家 #小説家になるには #夢 #働く




bottom of page