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フランス初、財務会計を全デジタル化したCaptainComtaの社長にインタビュー




今回のインタビューのお相手、Laurentさんは15年前に起業。会計ソフトを自身で開発し、フランスでは初めての財務会計ソフトを広めて行った第一人者です。


もともとは会計監査官として新卒で監査の仕事を始めたLaurentさん。仕事を通じて感じた不便さ、もっと会計を簡単にすれば個人で仕事をしているお医者さんや弁護士、自営業の人たちに役立つのでは無いか、と始めたのがきっかけだそうです。


日本でも弥生シリーズなどの会計ソフトなどが有名です。今は当たり前になった会計ソフトを最初に導入したLaurantさん。今はそのシステムを軸にして更に多方面にビジネスを展開している彼にインタビューしました。

1)あなたのビジネスモデルは何ですか?

CaptainComptaという財務会計の総合サポートをする会社です。社名はフランス語でCaptain(キャプテン)とCompta(会計)を合わせた言葉です。


まず最初に開発したのが会計ソフトです。今まで公認会計士がわざわざオフィスに出向いて、その年のレシートを全部紙で受け取り、一つ一つ手で処理をする。何とも不便だな、と感じました。2年ほど仕事をした後で兄と一緒に起業して、個人事業主が自分でインプット出来る、簡単な操作の会計ソフトを作りました。

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請求書の作成から経理、確定申告まで一つのシステムで出来てしまう。


どこからお金が入ってきて、何にお金を使ったか、一度覚えてしまえば簡単に操作が出来ます。クラウドの会計ソフトなので何処からでもアクセス出来て、携帯のアプリとも連動して使えます。携帯でレシートの写真を取ると日付と金額がシステムに取り込まれる様になっています。


システムだけでは無く、システムに関する問い合わせ(24時間体制)それから確定申告の手伝い、税務局への提出書類の手伝いなども行なっています。


今年から事業拡大やビジネスの運転資金が必要な場合、既存のお客に限り銀行に融資を求めるための書類作成や、銀行への紹介も始めました。会計士からみてバランスシートも利益も健康な会社と判断した場合に銀行へ融資の手続きを代行する、というサービスです。


主に中小企業や個人商店のお客様がほとんどです。

2)なぜ起業しようと思ったのですか?

会計をシンプルにしたかった、もっと簡単にしてみんなができる様に変えたかったというのがあります。もうパソコンも普及してましたし、システムを開発できる技術はあったのであとは誰かが作ればいい話だったんです。


わざわざ公認会計士がオフィスに出向いて、郵便でやりとりをするよりもシステムに自分でインプットできるのは個人事業主、中小企業の負担がぐんと減ります。価格も公認会計士を雇うよりはるかに安く済むので、お客も集まるな、と考えていました。

3)競合他社と比べて優れている点は何ですか?

一番最初にフランス市場に出ていた会計ソフトなのでネーミングバリューがあると思います。今では10社以上の会計ソフトがありますが、こちらは15年かけて改善してきた点、それからソフトだけでは無く、経理会計にまつわる様々なサービスを提供できる点にあると思います。


今ではBrexitの真っ只中で色々な企業がフランスに本社を置く準備をしています。マクロン大統領は新規ビジネスをフランスに呼び込むためにStationFという世界最大のスタートアップ企業を構える施設をオープンさせたばかりです。フランスのシリコンバレーを目指す予定で、役3000社のスタートアップを受け入れる準備をしています。


弊社のオフィスはこの施設の真隣に位置している事から、立地的にも好条件だと言えます。

今年から始めた銀行融資サービスは、更に画期的だと思います。起業して最初の資金集めにも貢献できますし、まさに会計の枠から一歩踏み出しだサービスを提供できていると思っています。銀行から経理会計の業界に手を出すことは出来ません。でも会計から銀行の業界に踏み込むことは出来るので、これを機に会社のファイナンス1から10まで手助けできるパートナーの存在になっていきたいと考えています。

4)社員と経営者、どういった違いがありますか?

私が社員として公認会計士として働いた期間が2年と短かったので、的確かどうかは分かりませんが、ストレスは同じくらいだと思います。


社員だと上の決定事項を期待どおりに遂行する、というストレスがあります。その代わりフランスでは大企業の社員であるとそれなりの保証が付いてきます。5週間の有給休暇、福利厚生、その他にも妻の会社では子供に対しての旅費サポートや留学補助などもありました。


経営者だと自分で選べる代わりに、自分の思った通りに進む事も難しいです。一直線の道を辿った、というよりはあっちいったり、こっちいったり、軌道修正しながら前に進んでいったという感じです。


自分の会社を持つ身としては最初は休みを取るのも一苦労でした。妻や子供達の休みと合わせて休みたいのは山々でしたが、まずソフトウェア開発の資金を借りているので早く軌道に乗らないと返済が滞ってしまいます、最初のうちはバランスを取るのに悩みました。

今では人数も増えて定期的に休みが取れるようになりましたがここ最近の話です!

5) 今まで受けた中で一番役に立ったアドバイスは何ですか?

アドバイスというか、読んで学んだ、実践してみた中で学んだ事ですが、何かを成し遂げたい、と考えた時に正しい目標を設定する事が大事だと思います。目標があると自然とどうしたらその目標にたどり着けるか、色々と考えるようになるのです。


目標自体は仕事の目標でも良いし、休みに素敵な所にいきたい、個人的な目標でも何でも良いのですが、とにかく目標を持つ事で自然と実行するには、といったプランが浮かび上がってくるはずです。

6)仕事以外の余暇の過ごし方、趣味など教えてください。

旅行が好きですね。今年の夏はスペインに、来週はモロッコに行ってきます。


今まで行ったことが無くて、行ってみたい国はインドと日本です。友人に誘われて今年、日本に行く予定を立てていたのですが、妻、子供達の夏休みと日程があわず断念しました。近いうちに行けたら良いなと思います。あとはクルーズを借りて小さな島を訪れる様な旅行に行ってみたいな、と思います。


Laurentさんの旅の写真より (左Gullfoss Waterfall、右Roses, Catalunya)



今年は運動も兼ねて、気功(きこう)のレッスンにも挑戦してみたいと思ってます。気功(きこう)はパリでも盛んで、瞑想も出来て良いと友人から聞いていたので、毎週木曜日の夜にレッスンを始めてみたいと思います。仕事が立て込んで行けなくなる、という不安もありますがレッスン料を払ってしまえば実は無理にでも行く様な気がします。笑

 

インタビューは以上になります!Laurentさん、お忙しい中ありがとうございました。

CaptainComptaのサイトはこちら

さいごに

これまで色々な業界の社長さんとインタビューをしましたが、特にLaurentさんとインタビューをして感じたのが、「このビジネスを成功させなければならない!」といって起業する人たちでは無く、こういったサービスがあったら良いのに、とか、ここを省いたら面倒な事をしなくて済むのに、あ、じゃぁこれで立ち上げてみよう、あれ上手くいかなかったから軌道修正をしようといった様に、流れに適応した形で自分も変わっていく人が多いな、と思いました。


昔は社長、というと何が何でも僕は、私は、人の上に立って仕事がしたい、とか社長になりたい!と夢を持って来たのかと思っていましたが、実際には「何と無く、オプションを全部並べてみたらこれが一番しっくり来た」という消去法や「とりあえず試しにやってみた」と言った様なケースがほとんどな感じがします。


要するに自分が満足出来るものがこの世に存在しないからじゃあ作るしかないな、と言った様に”仕方なく”自分の会社を作る事に至った、という感じがあります。


逆に言えば、そんなサービスを思いついたら自分の会社を作れちゃう時代でもあるという事ですよね。


あとは時代によって会社も成長しているという点。Laurentさんの場合は公認会計士の仕事の枠を超えて、融資の方の手助けをする、前回インタビューをしたエルボライさんもコンサルといいつつ、デリバリーの発注から納品まで全行程を管理し、融資や契約書まで幅広くサービス出来る会社です。持ち駒が多ければ多いほど、1種類しかサービスが出来ない競合他社より優れている会社になるからです。


私達の会社も見習って、何かサービスの幅を広めれるアイディアはないか、考えてみる時期かもしれません。参考になりました!


過去のインタビュー記事はこちらから見れます!

#インタビュー #会計ソフト #財務会計 #フランス #Captaincompta




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