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ヨーロッパに住んで習った、日本では使いようの無いスキル。




このタイトルがドラフトにずっと入っていたんですが笑


ようやく書こうと思います。


海外に住み始めて10年目、いろいろな国を転々とする中で、昔のゲームに例えるとHP(ヒットポイント)が上がりました。打たれ強くなって、ささいな事でクヨクヨしなくなったと思います。


でも日本って色々と便利だし、人も正直で嘘をつかないから、こんなスキルが身についたって無駄なんですけど。こんな風に図太くなりました、という記録を残したいと思います。

1)時間を緩めにスケジュール。

london new york tokyo and moscow clocks

Photo by Pixabay on Pexels.com


日本で社会人している時は、東京から週末でスキーに行く、という事もできました。夜行バスや新幹線に乗って、手ぶらで行って帰って来る。自分でウェアやスキーを持っていくよりも現地で借りちゃった方が楽で、パッケージに含まれているので値段もお得。そういう週末旅行はヨーロッパでは無理です。


まず、日曜に空いているところが少ない。電車やバスが時間通りにこない、食事に行くと、やたらと時間がかかる、など。昔、ロンドン、パリのユーロスターは4時間くらいかかってたんです。それはユーロスターのスピードが違っていたわけではなく、イギリス側のレールが古かったので工事が終わるまでフルスピードで運行できなかったんです。(到着駅も今のキングスクロス駅ではなく、ワォータールー駅でした。)


工事の日程や、「XXまでに完成予定」は完成予定詐欺です。w


イタリアのアクア・アルタ(浸水)被害を防ぐMOSEは建設から40年建ってようやくテストに成功したのが今年。


誰かと食事やミーティングの約束をしても、ドタキャンの可能性も大。


大学一年生の時、異文化コミュニケーションの授業で、「アフリカでは日本人の様に、時間軸を一本として考えるのではなく、三つくらいある。例えば、Aさんとご飯の約束を12時にしているが、Bさんともミーティングの約束を同じ時間にし、Cさんともお茶の約束をしている。」と言われた時に、なんで?意味が分からない、と思ってました。


でもヨーロッパに来てあー、納得、と思いました。ダブル、トリプルブッキングしても確率的に1個か2個はキャンセルになるんです。あとはAさんとご飯を食べているところにCさんがお茶のみに混じっても大丈夫。自分の友達は友達の友達、みたいな。


日本って、地元の友達と、会社の友達、混ぜて遊ぼうって感覚はないじゃないですか。こっちはそれが普通。お友達と約束をしていて、全然知らない友達がいる、とか普通です。


アバウトに構える、予定を詰め込み過ぎない(頑張っても遅れが生じてできないから)大きなプロジェクトは絶対予定通りにおわらないので気長に構える、そんな理解を得ました。

2)道を聞く時には三人くらいに聞く。

これはフランスで特に思った事ですが、自信満々に「あっちだよ」と指を指されても間違っていることが多い。知っている訳ではなくて、「あっちにありそうなフィーリング」で指している場合が多いんです。


日本では交番で道聞くじゃないですか。警察のパトロールの人に面接に遅れそうで「どっちですか?」と聞いたら真逆の方向を指されて。ちょっと歩いて他の人に聞いてみたら「あっちだよ」と来た方向を指されました。念のためもう一人聞いてみたら、また警察の指したのと逆方向。警察、なんだよ、って思いました。(面接には間に合いました)

two police men standing near another person beside white and blue police vehicle on road

Photo by Daria Sannikova on Pexels.com


日本だったら、警察の人がいうんだから間違えない、って思いますが、こちらの警察は道案内を仕事として捉えてないので、いいかげんなこと言われます。


うちの母は、日本でも三人くらいに聞きます。私から見ると失礼、だと思うんですが、こういう環境に育つと確認を確認しておいた方がいい、というスキルが必要だな、と思いました。


道だけに限らず、いろいろな事に対して、数人に確認するのは大事です。


学校の給食を登録しろ、と言われて、娘の先生に確認したら「やり方分からないから事務に聞いて」と言われました。事務の人はメールしても電話しても出ない。


他の親に三人聞いて、一人から給食センターのメールを転送してもらい、その人に聞いたら登録用のウェブサイトを送ってくれました。数打てば当たる、という感じです。

3)ディベート力、宗教や歴史に対する教養

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フランス人はディベート大好きです。自分の意見が「正しい、正しくない」別で、討論するのが楽しいから討論する、という人に沢山会いました。討論できそうなお題をふっかける、というのが正しいのでしょうか?


例えば、中絶反対、というキリスト教はアメリカに沢山います。トランプ、共和党(Republican) の支持者の大きな基盤は敬けんなキリスト教です。もちろん避けれるのであれば中絶は避けた方がいいですが、中絶したら違法、中絶した人は刑務所に入れるという支持をしているんです。


じゃあ、性的虐待されて妊娠してしまった、中絶した人も刑務所に入れるんですか?自分の家族で中絶した人がいたら刑務所に入ってもいいんですか?


そんな日本だったら信じられない様なトピックに対してもきちんと自分の意見を言える力、日本にいたら必要ないスキルです。


うちは民主党(Democrat)よりです。大学研究者は左よりな人が多いです。来月の大統領選挙でまたトランプが当選するなんてことがあったら、うちの旦那は破裂してしまうんじゃないか、と思います。(心配)

4)ヨーロッパ人のやる、と日本人のやる、は違う。

仕事しててよく思うんですが、ヨーロッパ人の「やる」は「やる意思を表示した」で止まり、日本人の「やる」は「やって完了する事が前提」です。


やる気持ちはあるけど、実際やってくれるか分からないのがヨーロッパ。


最初は戸惑いました。やるって言ったことが全くできてないじゃん!返事するって言った案件、3日経っても返事してくれてないじゃん!


私の仕事の半分くらいはリマインダーを送る事です。あの会社にリマインダーしておいて、とリマインダーをリマインドされることもしょっちゅう。


でも逆に言われた事をしっかりやる日本人の評価はものすごく高いです。その上、頼まれた事をただやるのではなく、丁寧に仕上げたり、頼まれた以上の事をしてくれるので「日本人に頼むと絶対やってくれるから安心だね」という印象です。


ビザの申請も、娘の出生証明書をフランス語からイタリア語の翻訳家は頼んでから実際に出来たのに二週間かかりましたが、私の戸籍謄本の翻訳は日本大使館にお願いして一日で完成。フランス語からイタリア語も実際に翻訳は1日でやってくれたのですが、メールの返信はしない、電話に出ない、催促している時間の方が多かったです。その点、日本大使館は、メールにすぐ返信してくれた上に、電話で詳しく書類の説明までしてくれました。

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5) さいごに

人の言うことは信用できないから、一人に聞いた直後に他の人に同じ質問をするとか、やる、と言った人に対してしょっちゅうリマインダーを送るとか、日本でやったら本当に失礼な行為だと思います。私も道案内をした女性が、私から5メートルくらい離れた人に同じ質問をしていたのに対して「なんだよ」と思った事もありましたけど、こうやって責任持ってしっかりやる、と言った事をやる、時間通りに行動するのはめずらしいという事がおわかりいただければ、と思います。


日本に帰ったら全く役にならないスキル、でした。


似た様な書き込みをしていたので、参考までに。


海外で生活する時に必要なスキルをまとめてみた


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