
今回のインタビューシリーズはベルギー在住の日本人とベルギー人のハーフ、Francisさんにインタビューしました。
お父様が日本人でしたが、ベルギー人のお母様とベルギーに住み、まだ幼い頃にお父様が亡くなってしまった為、日本語を少し理解できる、と言う程度でしたが、大学の頃に日本語を専攻しようと考えていました。
しかし周りの人から「日本語なんて勉強したところで何の役にたつんだ!」と反対され、教育の道へと進みました。しかし日本語を学ぶ、日本に関わる仕事をしてみたいと言う気持ちがあって引っ越し代行サービス、それからベルギー内で日本に関する全ての情報を一つにまとめたウェブサイトの運営を始めました。
経緯などを詳しくインタビューしました。
1)あなたのお仕事は何ですか?
引っ越し代行コンサルタントです。各種ビザの手続き、就労ビザや家族ビザ、銀行口座の解説、アパートや住む場所の確保、健康保険の手続き、電気やガスの契約、運転免許証の変更などを代行してやっています。3ヶ月おきにベルギーの文化の違いの講習会も運営しています。 BEWELCOM.BE は現在スタッフが3名、フリーランスが4名で運営しています。
2)なぜこの仕事を始めようと思ったのですか?
何か世の中の役に立つこと+日本への興味があったのでその二つがうまく重なるものを探していました。
前職は発達障害がある子供たち向けの教育、教育者の指導や家族に対してのセラピストをしていました。人を助ける、と言う仕事は辞めたくなかったのですがどうしても日本に関わる仕事がしたくてこの仕事を辞めて日本からベルギーに来る人を助ける、引っ越し代行のコンサルタントとして再出発しました。
3)なぜ御社が他者に比べて優れいると思いますか?
ベルギーで他にも引っ越し代行サービスをしている会社はあるんですが、大手になればなるほどその人にあったテイラーメイドのサービスではなく、ただ引っ越しを必要最低限手伝って数をこなす、と言うビジネスモデルになってきてしまいます。Bewelcomでは異国に移動する方に思いやりと優しさを持って接する事で引っ越しという大きなイベントをなるべくスムーズに行えるように心がけています。

4)前職と現職との違いは?
やはり前職は教師、教員の指導だったのでお給料もしっかりしてましたし、休みも学校の休みに合わせて取れていました。
今は前職と同じだけ働いていても、休みもまとめて取りづらく、お給料も上下します。でもその分好きなことが出来ているので満足しています。
ただ一人で働く事が多いので前職のように同僚が居ることがたまに恋しくなりますね。
5)若かりし頃の自分にアドバイス出来るとしたら?
18歳の頃の自分に、日本語を学びたいという夢を諦めるな、って言ってあげたいですね。周りの人に「日本語なんて何の役に立つんだ、仕事なんて見つからない」と言われたので諦めましたが、結局今はその夢を諦めずにまだ日本語を学んで日本に繋がる仕事をしています。
6)仕事以外の趣味は何がありますか?
スクワッシュ、サッカーやバトミントンが趣味です。肩を怪我してしまったので治ったら色々とまたスポーツがしたいです。
7)親から言われた事で、今思い返すと納得出来ない事
他の人が自分の事をどう思っているか気にした方がいい、他の人が良いと感じる事を目指していたような気がします。今では自分の思いや決断の方が、他人がどう思っているのかというより重要なんだと肌で感じます。他人の事ばかり気にしていると自分からアイディアが出なくなってしまいます。
8)今後のプロジェクトは?
ベルギーでは日本のレストランや文化も増えてきていて日本の認知度が上がっています。そんなベルギーの人たちに日本の事をもっと沢山知ってもらいたくて、「ハタツ」というサイトを始めました。
ベルギーの日本のレンストラン、文化や言葉、とにかく日本の事の情報をひとまとめにしたサイトが無いな、不便だな、という気持ちから、そう言った情報をひとまとめにすれば良いんじゃないか?と思って始めました。
「ハタツ」とはとは僕の父が佐賀県伊万里市の 波多津(はたつ)出身なのでそこから名前を取りました。
インタビューは以上となります。フランシスさんどうもありがとうございました!
さいごに
最初フランシスさんにインタビューをお願いした時には「こんな僕の話でいいの?」と不安そうでしたが、日本に興味があって勉強したいのに周りの反対があって出来なかった、でも今もその夢を諦めずに、ゲント大学の日本語学科の夜間授業を講習したり、日本の情報をベルギーの人に広めたり、自分で出来ることから自分の夢を追いかける姿勢が、読んでいる人を元気づけるんじゃないかな、と思っています。
オランダ語を話す人の総人口が2千3百万人だそうです。(ベルギー北部、オランダ、第二言語として話す人を含み)
それに比べて日本語を話す人口は1億2千万人。約6倍です。
そういう情報もなしに日本語は無駄だからやめておけ、というアドバイスをした人もどうかと思いますが笑 結構「だめなんじゃない?」というアドバイスをする人は視野が自分とあっていない、ものごとを広い目で見ていない事が多いような気がします。
ちょっと前に楠木 健さん著書の「好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則」という本を読みましたが、沢山の人の悩み(結構自分と似た悩みもあります)それらが全部
「好きなようにしてください」
っていう答えで完結してしまいます。
要するに自分の人生で後悔するものがあるなら、まだ時間が許す限り「好きな事」をして生きた方が良い。諦めてしまった夢はいつまでたっても後悔が残るものだからやらずに後悔するよりはやって後悔した方がマシ、だと思います。
身近な所からヒントを得て、(日本の情報が一箇所にまとまっていたら便利だな)それをきちんと実行に移した所、参考になります!