
日本の文化や習慣は海外から称賛されることが多いです。
私も海外に住み始めてから、日本の文化って素晴らしいな、と思う事が多いですが、住んでいる時には気がつかなかった「あれ、これって変じゃない?」と感じる事も増えました。
先週、夫がメキシコ出張でスペインの植民地になる前にアステカ文明という時代があって、文化の中心は人身御供、生贄(いけにえ)の儀式が頻繁に行われていたという話をしてくれました。
首の後ろの神経を切って痛みを感じなくなったら石器のナイフで臓器を取り出して捧げる、というとんでもない”変な”儀式を行なっていました。生け贄に選ばれることが光栄な事で、誰が選ばれるかボールを使って試合をして決めるスポーツもあったそうです。勝者が生け贄に選ばれたそうです。(写真はWikipediaより)

今から考えるとありえない仕きたりですが。
ここまで極端な話ではなくても日本人も欧米人からみたら”これは変だよ?”という習慣が沢山あります。
今日はそれを少し紹介したいと思います。
(日本でコレをやってもそんなに変な目では見られない、というものをあげていますので、皆さんがこの習慣をやっている、という意味ではありません)
1)麺類をすする

2)鼻をすする
最近は変わったかもしれませんが、私が小さかった時は、鼻をかむより、すする方が多かったと思います。一回かめばスッキリしてズルズルずっとすすらなくてもいいんじゃないかとも思いますが、公共の場で大きな音を立てて鼻をかむのは恥ずかしいものがあります。
最初にフランスに留学した時に先生がくしゃみをして小さな体からは想像もできない様な大きな音で鼻をかんだ上に、そのティッシュを袖にしまって、また鼻を噛みたくなったら使える様に取っておいたことにものすごいカルチャーショックを感じました。その時に学んだ事は
フランスではすするのは失礼。かむのは失礼じゃない。
フランスのポケットティッシュは硬くて大きい、そして高い。日本のみたいに薄くて柔らかくないので少量の鼻水だったら全面を使っていないので袖にしまってまた使えば良い。
(ヨーロッパのティッシュ:ものすごく厚くてよく鼻の下が切れてしまう。)

この間の帰国の時、秋だったんですが、友達がずーっと鼻をずる、ズルとすすっていて、前だったら気にならなかったのに音が嫌だな、と思った自分にびっくりしました。
3)口を開けて噛む、口にものが入っている時に話しても良い。
ヨーロッパは徹底して口にものが入っている間は話しませんが、日本だと手を口の前に持ってきて話したり、居酒屋でおつまみをつまんで食べている間は、話しながら食べてもそんなに違和感はありません。
4)親が別の部屋で寝る、母親が子供と一緒に寝る。
日本人の夫妻が4組くらい居るディナーで、うちの旦那があっけに取られた話がコレ。
日本では子供達と母親が一緒に寝て、旦那さんがリビングや別室で寝る、もしくはみんな同じ部屋に寝ているという話を聞いて愕然としてました。「妻と子供達がベットで寝ちゃうから僕はリビングに寝袋引いてます」という話を聞いて開いた口が塞がらない様でした。
私の両親は同じ部屋で寝ていましたし、子供達はそれぞれの部屋で寝ていたので今もそうしていますが、そちらの方が少数派だったのにも驚きでした。
5)歯の矯正をしない
「日本人はとっても綺麗な肌だし、洋服や外見にも気を配っているのになんで歯の矯正をしないの?」って何度か聞かれたことがあります。
アメリカの子供は、ほぼ全員、矯正します。
八重歯が可愛い、とか、出っ歯が個性的、とみられたりするので歯並びがコンプレックスになることも少ないのでしょうが、欧米から見るとその「可愛い」ハズの歯はブサイクに思われている・・かも。

http://www.yusinkai-kyousei.jp
6)腐女子な存在
最近、中国では「BL小説を書いた罪」で腐女子20名を一斉逮捕、というのがニュースになりました。日本がゲイ社会にオープンなのかと思いきや、それとはまた別でBoys Loveの小説を読むのが好きだけど自分は女で普通にストレートである、というカテゴリーが存在がすることにびっくりするそうです。
7)学校教育での親の参加が必要なイベントが多すぎる
ヨーロッパは共働きが基本なので学校のイベントも限られています。
春に日本に一時帰国した時、娘を幼稚園に入れようと思って問い合わせたところ、用具入れ、給食袋、体操着入れ、上履き入れなど持ち物のリストをもらったのですが、「全て手作りでお願いします」という一文が付いてきたので諦めました。1週間の為にそこまで手をかけられません。
友人や兄夫婦の話を聞いていてもPTAの活動がヨーロッパの正社員の働きぶりの様で違和感を感じました。
8)通勤時間の長さ、満員電車
片道2時間の通勤という人もヨーロッパではたまに居ますが、大体が他の国で仕事をしているケース。月曜日から木曜日までベルギーで働いて、金曜日は自宅勤務、土日は家族と過ごす、という様に国をまたいで仕事をする人も居ますが毎日通勤する人は流石に見たことがありません。30分−1時間で”長い”通勤時間だと思われます。
電車やバスもストライキやピーク時間では混みますが日本ほど混んでいる電車を見たことはありません。白い手袋をして通勤電車に人を押す仕事をしている人がいる、という田園都市線か山手線のビデオがYou Tubeで話題になりました。

9)塾という存在
こちらは小学生までは遊ぶことを中心に、中学・高校でも塾に通っている子は居ません。というか塾がありません。そもそも高校や大学に入る為の入試がないから勉強する必要がないのです。入試がない代わりに学校の成績によって入れる学校が変わってきます。
学校の試験も暗記もの、というよりはエッセイやプレゼンテーションなどが入ってきます。フランスのバカロレアという高校卒業試験の、「哲学」の科目では3時間のテストで有名な哲学者のセオリーを自分なりに解釈する、といった論文の筆記試験が一般的です。
テストも教科書持ち込みできる科目もたくさんあります。教科書が持ち込みできる分、単純に受け答えをするのではなく、自分の意見やアイディアを書いてくださいといった様な試験になります。
チューター(家庭教師)を雇う場合もありますが、塾の話をすると「なぜ学校で学んだ事が十分ではないのか」と首を傾げます。私も個人的には塾には反対です。大人でも1日に集中できる時間が4−5時間くらいだと思うので本当に集中する子供に育って欲しいのであれば学校の勉強だけ集中していれば授業には追いつけるハズです。塾に行くくらいなら寝かせて脳を休ませた方がよっぽど効率的だと思います。
10)女性の声が異様に高い
久しぶりに日本の番組を見ると女性の話し声が異様に高くて頭が痛くなります笑
うちの母親が小さい頃に「イライラする声だからテレビの音を小さくして」といつも怒っていたんですが、今となってようやく言っていることが理解できます。声が高い=可愛い声というプラスの印象がありますが、ヨーロッパでは可愛い声や話し方=頭が悪いというマイナスな印象です。
11)ゆるキャラ
最近は住民票や戸籍謄本にもゆるキャラが載っていたりします。こちらで書類を提出する時になにこのキャラクターの落書きは!という感覚です。
正式な書類にキャラクターを載せてしまうのはどうなんでしょうか。
<2018年ゆるキャラグランプリより>

12)あくびをするときに口元を隠さない
これは私の母が気づいた点ですが、あくびをする時に顔をあまり隠さない日本人が多い、みたいです。
13)電車の中での化粧するけれども携帯で話してはいけない
日本人はすごくしとやかで素敵な印象だったのに電車で化粧している人が多くてびっくりした、と言われた事があります。ペースメーカーの問題もあって電車での通話は禁止になりました。海外では普通に電話に出て大丈夫です。
14)電車やバスで寝る
スリが多いのもありますがヨーロッパの電車ではまず寝れません。新幹線(TGVやユーロスター)の長距離電車で寝ている人は見かけますが、寝ていたら荷物を盗まれてしまったという人も知っています。もし寝る時には途中停車の駅に到着する前に起きておいた方が良いです。
日本は寝れるほど平和な国だな、と実感しますね。
さいごに
日本のことを否定するつもりで書いた日記ではなく、こういった点は不思議に思われているよ、という事を書いてみたかったからです。前回の日記では日本人が海外に住んだ時に必要であろうスキルや能力を書きましたが、今回はその逆で海外の人が日本に住んだらこういった事に戸惑うだろうな、という視点で書いてみました。
こんな”変”が沢山あっても日本はとても愛されている国です。