”片付けられない”を克服する。パート2

実家の大掃除をする為に日本に行きました、という話の続きです。(パート1はこちら

元々片付けられない家で育った私と兄。父が6年前に亡くなってから更に拍車がかかったので1ヶ月弱、日本に滞在して掃除をお手伝いしようと計画をした訳ですが、終わってみて一言。


まじ、しんどかった。


何がしんどかったって・・・


体力的にも精神的にも疲れました。

まず最初に日本へ到着した時の感想は「思ったより悪くない」

居間、お風呂、寝室(私の昔の部屋)は比較的整頓されていてあ、座る場所全然アルジャーん、って感じでした。


ところが和室。


開けてみて・・・


そのままそっと閉めました。笑 (以下***危険写真)


ツッコミどころ満載です。


たいよう、ってなんだよ。

初日は到着も夜9時とかだったのでそのまま就寝。


翌日から母と一緒にプランを立てつつ、取り掛かりました。


1)掃除をするにあったっての事前準備

出発前から’掃除ができない人と掃除をする’関連の本やテレビ番組をたくさん読んだりみたりしました。(本は多分30冊以上読んだと思います。)特にオススメだったのが(英語ですが)NetflixのConsumedという番組と、Buried in treasures という本。


*ブログの一番下に、読んだ中でオススメの本、動画、ポッドキャストなどをリストにしました。


多分普通の人はここまでしなくても、親御さんが多少掃除ができる人だと思うのでこんなに気合いを入れる必要もないかと思いますが、なんせ一生掃除できなかった人と掃除をするので彼女の脳の中がどうなっているのか把握してから取り掛かった方がいいと思って色々と勉強しました。


もう一つオススメしたいのが片付ける家主とのルール決め。


私の場合は「ただのものは捨てていきましょう」というルール。もちろん捨てるもの全部了承が必要なのでただの物でも了承は必要なんですが、これ取っておきたいーって言われた時に「ただの物だよ。またもらおうと思えばもらえるよ」と言ったりして説得しました。


例えばお箸や醤油。お手拭きなど、後で使える〜と思ってもたまっていく一方です。ちょっと可愛い包装やリボン、ビニール袋、こういったものもを捨てるだけでもキッチンがだいぶスッキリしました。


あとは期待しない。期待しなければ失望することもないので・・。


2)母の状態をかいつまんで説明すると

  1. 多分うちの母はホーディング障害があるようだ。(ウェブ上で出来るテストがあって、重症ではないが中症くらい。)

  2. ホーディングとは居住空間において大量の物品を度を越して収集(蒐集)することを止められず、それにより著しい苦痛・不全を起こしているという行動パターン。ホーディングする人のことをホーダーと呼ぶ。

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Buried in Treasures から抜粋。母の頭の中を理解するには一番役に立った本かも。


  1. ホーダー(大量に物を溜め込む人の事)は完璧主義者が多く、ものを捨てたり、譲渡した場合にそれが一番いい場所なのか、責任感が強い為、再吟味してしまう。(ので物が捨てられない)


  1. 側から見ると小綺麗な人も多いので分からない場合も多い。

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  1. (上文の訳)普通の人は持ち物をカテゴリーに分けて収納する、という行為が出来る。例えばシーツはシーツの棚に、缶の食べ物は缶の食品の棚に、税金の申告書はその他の重要な書類と一緒に書類の棚に入れる。

  2. ホーダーの人はカテゴリーを使わずに収納したがる。例えば税金の申告書は物が山積みになった上の左の方に置いておく。そうすると覚えていられる自信があるから。

  3. この方法では結局その申告書の上にも物が山積みになってしまい、必要なものと不必要なものがごちゃ混ぜになり結局見つからなくなる。「あの辺の左上にあったのに」と探しても探しても見つからない。

最後の文章は自分でもよくやってしまうので分かるのですが・・・


これは居間の様子。片付いているのか居ないのか、分からない手前の紙の山のてっぺんに重要書類があったりするので、こちらも手を付けられない。

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要するにホーダーの人は普通の人みたいにカテゴリー分けってのが出来ない、普通の人だと服・食べ物・本、みたいに大きなカテゴリーの中に沢山の物を含む(例えば服の中に運動着、普段着、部屋着、仕事着)のに対して、完璧主義者型のホーダーの人は大量のカテゴリーの中に少量のアイテムが存在するそうです。(運動着、普段着、部屋着、仕事着、と先にカテゴリー分けをしてしまうから大変になる)


母の家にはバインダーが沢山ありましたが、中を覗くと請求書が数枚、終了。といったように「なぜバインダーまで買ってきて2種類の紙しか入っていないんだ?」と疑問に思っていましたが上の説明を聞くと納得。多分ものすごく細かくカテゴリー分けをしすぎて(例えば夏の請求書、とか)結局めんどくさくなって終了してしまったんじゃないか、と思います。


3)ホーダーとホーダーではない人の脳の違い

ちょっと机の周りが汚い、って人はホーダーではありません。自分で机の周りを見て、汚いなと理解できていて、それを掃除したり捨てたりすることが精神的苦痛にならない、ただ面倒くさくて掃除をしていないだけです。


ホーダーの人は自分の物を捨てるときに脳が過剰に反応し、他人の物を捨てる時には脳が全く反応しない、反応が薄すぎるという研究結果が出ているそうです。


物が山積みになっている状態を見ても、脳を全く反応させなくする、というものすごいスキルがあるので「あー汚い、散らかったいるから片付けなきゃ」という気持ちも生まれないのです。

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(上文の訳)家族の人が家の状態を見て「どうやったらこんな状態で生きていけるの!」と思っていても、脳のスキャンで証明出来るように、本人はそのゴミの山が見えていないだけなのかも。


4)とりあえず掃除する。

プロのオーガナイザーの人の話を聞いていると、本人が捨てる、と合意しないと結局はトラウマになって前よりも溜め込んでしまう、という自体が起こるそうです。

かといって、本人だけに「はい、これじゃぁ必要な書類と必要でないものに分けて」って渡しても全部必要!と捉えるかもしれません。


私が取った策は


とりあえず仕分けてあげる。

→ゴミの中から必要なものだけ出して


というアプローチ。


私の知り合いがプロのオーガナイザーに頼んだらまず洋服を「似合わないと思うもの」を山積みにされて「あなたにはこれが似合わないと思う。まだ欲しい、来ているというものは取っておいてもいいけどその他は捨てていってね」と言われたんだとか。


和室の山積みの紙の中から明らかに要らないものをまとめて置いておきました。

例えば

  1. もはやその機械すら家にない保証書(しかも日本語。母は日本語読めません)

  2. 水道やガスの領収書。直近の一年だけ残して他はちぎって捨てました。本当だったらシュレッダーがよかったみたいなのですが、警察の人から個人情報はなるべく切ったりシュレッダーにかけて捨てましょうと言われたのを律儀に守っています。この辺が完璧主義なので掃除が進まない理由です。

  3. もはや色々なものをちぎって捨てるとなんとなく要らないものかな、と間違いしていたのでこの紙いらないのに取っておいてしまいそうというものは意図的に切ったりしてました。笑

最初の方はゴミから出してくるものが多かったけれどもそのうち自分からも少しは捨てれるように!


5)途中経過をしっかり写真に取る。

和室 5日目くらい。まだ雑然としてますが畳が3枚くらい見えるのが嬉しい。

たいよう、はまだまだ健在。

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私たちもクビを傾げてしまうのが、たいよう、しか飾るものがないのかと思いきや押入れにはちゃんとした素敵な掛け軸が20個くらい入ってるんです。なんでそう行った素敵なものを飾らず、こんなクソみたいな掛け軸を飾っているのか。兄が低学年の時に書いた掛け軸ですが実際に小さい頃には飾られていなかったのになぜ今となって飾ろうと思ったのか。疑問です。


この時点では例えば写真は写真、名刺は名刺ボックス、仕事関連の紙、お稽古関連の紙、と簡単に仕分けをしておいたものを更に母に「いる、いらないに分けてくれる?」と宿題を出しましたが1週間くらい手付かず。そのまま大まかなカテゴリーに分けたまま収納棚に入れてしまう結末になりました。


6)ゴミ捨ての日に合わせて掃除。

ゴミの数も部屋を圧迫する数なので、例えば服のリサイクルの水曜日の前日にクローゼットをかたずける、とか。不燃物のゴミの前の日に工具の整理をして、資源ごみ(木とか草)の前日に草むしりをするなど。


ゴミを捨てる!と決めたら即日か次の日には家から出さないと「やっぱりまだ使えるかも・・と」勿体無い気持ちが出てきちゃうので、そのいった感情が出る前に捨ててしまうのが良。


毎日10−15袋くらい捨てていましたが、この写真が滞在期間の中では一番すごかった。近所の人にも「毎日たくさん捨ててるね。」と嫌味なのか励ましなのか、コメント頂きました。リサイクルの日のゴミでした。

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ゴミ捨て場のゴミの量。


7)3歩進んで2歩下がる。それでも大丈夫と思えるようにする。

綺麗になった!と思っても新たに棚や引き出しの中を整理するとまた一時期ごちゃ!っと散らかる時期が来ます。また、古くなった棚を捨てる!と決めても中に入っているものをまた収納する場所を探す必要があります。


ごちゃごちゃした期間は2−3日続きます。母を見て思ったのが一つ一つの山を順に終わらせるのではなく、ごちゃっとした部分をやったら嫌になってしまうのか作業開始から数分で「ほら、夕飯の準備するから買い物に行ってくるわ」とか(冷蔵庫にはご飯一杯入ってます)


「あ、洗濯干さないと」(室内干しなので特に時間を気にする必要はないです。)とか。

一度に集中して紙の山を処理する能力がないのです。


無理やり座らせて一枚一枚、「これはいる、いらない?」って問いかけてやっていました。

最初に書いたとおり、期待しない、期待しなければ失望しません。


8)1ヶ月の結果

私たちが帰る数日前の写真です。じゃーーーーん・・・。

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障子も襖も張り替えて。カブトまで出せました。


このカブトも兄のではなく実は全然別の人からの貰い物。箱もボロボロになってたんで、「男の子もいないし、子供の日が終わったら誰かにあげようかしら」と言ってました。そんな気になれたのは大進歩だと思います。


9)手伝った側(私)の心境

冒頭でも言った通りものすごくしんどかったです。


娘は地元の小学校に通ってもらって午前中にどんと片付けをこなす事が出来ました。午後はヨーロッパが開く4時から深夜まで仕事、翌朝また娘と起きて学校に言ったら午前中に5時間くらいまとめてお掃除出来ました。


ご飯を食べてからは午後の仕事に備えるために1−2時間昼寝をしてから夜は自分の仕事。まさに「自分の会社だから好きな場所で仕事はできるけれども休めない」という状況でした。


こうした肉体的にキツかったのと同時に


精神的にも厳しかったです。


まず母親がホーダーなんだ・・という漠然とした事実。


ホーディングは精神疾患としてDSMにて定義されたのは2013年でまだまだ知られていない病気ですが、全国民の2−5%にのぼるらしいです。


一旦、事実として飲み込んでしまえば、「母は病気だから掃除出来ないんだ。」って変に納得してしまいました。みんな自転車に乗れるのに、足が折れてたら確かに乗れないよな、と理解するのと一緒で・・。


治療法のメインは認知行動療法 (CBT)。要するに練習して捨てる事に精神的苦痛がかからないように、脳の考え方を変える方法だそうです。


一つ悩んだのが「この方法で結局元のように戻ってしまわないか」という不安。


この1ヶ月で毎日のゴミやリサイクルの日にバンバン捨てたのと、粗大ゴミなどをトラック1台分運び出したので家はもちろんスッキリしました。でもそれが母に取って良かったのか、それともトラウマになってしまうのか、すごく不安でした。だからこそホーダーの人が片付けに対してどう反応するか(NetflixにConsumedやKonMari ~人生がときめく片づけの魔法~ )などで確認していました。


大半の人がスッキリした部屋の方が気に入り、そのまま維持しようとします。


もちろん維持できずに少しづつ元の状態に戻ってしまっている人もいます。


私の母は、和室が全部綺麗になった時に畳の間を爪楊枝で掃除してました。一旦綺麗になってしまうとホコリが気になってくるようです。


先日も電話で話した時に「スッキリしてからね、ホコリがたくさん出るのよ。」と。だからほとんど毎日掃除機をかけている、という事を言ってました。


いや、毎日ホコリは出るんだけれども、あなたの脳がもう汚いエリアをシャットダウンしていたから見えなかっただけじゃないかな・・と心の中で呟いていましたが。本人がやる気になっているのは◎!!


10)今後は・・・

娘も日本の小学校がとっても気に入ったみたいなので毎年春の季節に帰って掃除を手伝おうかなと思います。ゆくゆくはお掃除を手伝ってくれる人、庭仕事をしてくれる人を雇って維持するのを手伝ってもらう、と考えていますが今の所、そのアイディアは母の方から却下されています。理由は、自分でやりたい、ガーデェニングは好きだから自分でやりたい、おうちに入ってきて掃除している間に色々盗まれたらどうするの、だそうです。


もちろんそういうお手伝いがあっても結局自分でも掃除はしなきゃならんよ、とは言ってるんですが、とりあえずは様子見で。ここまで出来たから良しとしましょう。

*同じような悩みがある方*

これが役に経ちました、という動画・ポッドキャスト・本などを載せておきます。


日本語



元「片づけられない女」の 幸せの引き寄せ方 片づけ道

吉川永里子 さんはブログにもたくさん情報が載ってます。もともと片付けられない自分の

目線で書いているので、読みやすかった


人生を思い通りに操る 片づけの心理法則

メンタリストDaiGoさんがまず「なぜ片付けをしなきゃいけないのか」とゴールを明確にする方法を書いてくれています。私もなんで実家の掃除をする必要があるのか、例えばもっと頻繁に長期で帰ってきたいから、その時にイライラせずに暮らしたいから、結局自分の為にも帰ってくると思えばやる気も持続出来ました。


片づけたいけど 「片づけられない」がなくなる本

森下順子さん (著)。右脳と左脳の片付け方法とかカテゴリー分け、っていうのが面白かったです。旦那と私は全く同じ、母は全く逆なので「そういう方法で説明してもちんぷんかんぷんだったかもね」と参考になりました。


あした死んでもいい片づけ 実践!

ごんおばちゃま  (著)。最初の数ページが超ドカンと印象的でした。ブログもあるそうです。


漫画エッセイ


ダメな自分を認めたら部屋がキレイになりました 

わたなべぽんさん・この本は漫画なのでさらっと読むことが出来ます。彼女が掃除できない時代の部屋にあるもののリストがうちの母と超似ていたので笑っちゃいました。


ネットフリックス動画

こんまりの~人生がときめく片づけの魔法~


こんまりさんの”お掃除の方法”は役に経ちました。基本的にみなさんもともとは掃除が出来る人だなーと思いながら見てました。余分に収納は買わなくても良い、家にある収納でほとんどまかなえるという点、それから全部出してみて量を目で確かめる、というのはとっても有効だと思います。(ま、うちはもう出てましたけどw)


  English (英語)


Consumed (日本にあるか分かりませんんが、あればとても興味深いので是非)


’汚屋敷’みたいなおうちに住む人をとりあえず家にあるものを全部パッキングして出す、何もない状態で2週間過ごした後に75%の物を処分してお家に再度引っ越してくる、というカナダの番組。これは特にそこに住んでいる人の心境、っていうのが参考になりました。

スッキリしたお家がダメな人はダメ。2週間物がない状態で「心も体もスッキリするわ」と言いつつ結局、7割物を手放せずに3ヶ月後には元に近い状態に戻ってしまう人も居ます。うちの母は最後の方は積極的に物を捨てれるようになったのでこのタイプではない!と期待はありますが・・


ポッドキャスト


The Declutter Hub

これの特にエピソード7ーGuest Expart Jasmine Sleigh discusses her work with hoarding issuesというのがホーダー専門にお掃除の手伝いをしている人なのでとても役に立ちました。一番しっくりきた点が、「仕事でお手伝いさせて頂いた方を見て感じたことは、ホーダーの人って自分の住んでいる地域や国、外に信用していないんです。自分で自分の為に生きていかないと、という強い気持ちがあるから物を溜め込んだりする傾向があります。」

確かに、今これを捨ててしまったら、また同じものが手に入る保証がない、なんせ私は自分以外の人を信用していないから、と思うと確かにな〜と思いました。


母はいつも旅行にタオルを持っていくのは、ホテルにタオルが万が一なかったらどうするの、とか。いつも多め、多めに荷物を持っていく理由がわかった気がします。


Clutter Chronicles

これは役に立つ情報、というよりは、ホーディングと戦っている一人の女性にインタビューをするという形式で、どういう病気なのかを分かってもらうというポッドキャスト。


彼女が実際に物を捨てるときに感じる精神的な苦痛や、痛み、などが本人によって描写されるので、「あんなに気軽に捨てちゃいなよ、って言ってみたものの、お母さんもこういう気持ちになっているのかな」と思うと急に自分がいけない事をしているかのような気持ちになりました。相手の気持ちを分かるのに欠かせなかったなーと思います。

最後に

赤裸々に色々書いてしまいましたが・・


最初は「実家が汚い」っていうのは恥だと思ってました。いろんな人と話をしたり、本を読んだりしたら、案外沢山の人が同じように悩んでいるんだ、って気がつきました。なんせ2−5%の人がホーディング を持っているらしいですから!


和室の写真を見せるのも最初は恥ずかしいなぁ、と思ってましたが、友達や知り合い、多分100人近く見せていたら免疫がついて、最近は反応がまた見たいから見せてる、っていう感じです。


「うちも親がそうだった!」なんて話してくれる人も居ました。一旦綺麗になってしまったらあんなに捨てることを拒んでいたのにそんなこともすっかり忘れているよ、って言ってました。


こんな1ヶ月で完治するわけがないのですが、ちょっと明るくなったかな?と思いました。多分今までは外出したり、掃除以外の事をしていると、「家が散らかっているのにこんなに遊んで・・」と罪悪感があったのが今は罪悪感なしに出かけられるから?とにかくイキイキした感じになったのでこのプロジェクトはとりあえずは成功、って事で!


(片付けられない、を克服するのパート1はこちら


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