
2016年の4月に香港で会社を作って早くも1年半以上経ちました。(会社を作った経緯はこちら)
今現在フランスに1社、イギリスに本社がある会社で働いています。(私と社長しかいませんが、会社の数は6社。この辺はまた後のブログで説明しようと思います。)とか書いてありますけど、その後説明してないので。笑 こちらでちょっと触れてみようかなと思います。
2人しかいないのに会社は沢山
元々はフランスの会社をフランス人のOちゃんが買い取って、(1社目)彼女はイギリスに住んでいたのでイギリスに本社を立ち上げたんです。(2社目)イギリスに会社を作るには48時間、2000円くらいで法人が出来ちゃいます。(住所と銀行口座があれば)。そして法人税も20%なのでフランスの33.3%に比べると格安。
そしてOちゃんの個人名の会社がイギリスにもう1社。そして彼女が趣味でやっている会社がもう1社(計4社)
私の個人名義の個人事業主登録の会社がフランスに1社。(計5社)
そして香港に私個人の会社が1社です。(計6社)
なんでこんなに面倒な事になったかと言いますと。
もともとフランスで今の会社に入りました。
会社の従業員になると社会保障とか年金とか色々払わなきゃいけないんですけど、従業員が1人の状態だと会社負担+自分負担で結局社会保障額倍払ってるんです。個人事業主だと自分の分だけ払えばいいから従業員が1人の会社は社員にならない方が安いんです。
これはフランスの例ですが、従業員1人が20万手取りで貰うためには会社は35万くらい払います。同じ社会保障を賄えるフリーランスで個人事業主登録をすると25万で済みます。会社としては10万の経費削減です。(ただし、個人事業主は定年が無いぶん年金が無いので自分で立てないといけません。)
最近会社もフリーランスの人をよく雇うのは、長い目で見ると多少単価が高くてもプロジェクトや短期ー中期のものであれば社会保障、年金、保険を払う必要がない分、会社としては安上がりなんです。
だからフランスに住んでいた時は個人事業主として登録してお給料をフリーランスという形でもらってましたし、香港に移ったときにはフリーランスの登録は現地の人しか出来なかったので法人を作りました。
フランス、イギリスとかれこれ5年決済(年末の締め)をしてきましたがこんな印象です。
フランスの法人は経費で落とせる+消費税が返ってくるアイテムが多いので最終的には経理をちゃんとやればこの2カ国で払う法人税の価格ってうちみたいな小企業には差はないのかなって思いました。
詳しい話をすると(興味なければスルーしてくださいw)
例えば会社の今月の収入が20万
そのうちお給料が5万(自分の会社でも個人と事業の出資を分けるため、個人で使うお金はお給料で出します)
お客さんと接待(5万)うちイギリスの会社は消費税が戻りませんがフランスの会社だと19.5%(9750円)会社に戻ってきます。
出張の交通費とホテル(3万)ホテルはイギリスもフランスも消費税が戻ってきます。ただし国内のみ。(イギリスの会社はイギリスのホテル、フランスの会社はフランスのホテルの消費税が戻りますが住んでいる都市では基本ホテル代は特別なイベントが説明出来なければ経費として落とせません。)
電話・インターネット代 (1万): こちらも消費税分はどちらの国も戻ってきます。
計:支出 14万
利益は20万ー14万で6万円
イギリスであれば6万の20%=法人税1万2000円
フランスは33.3%で2万円ですが接待分の9750円が戻りますので11250円!
あまり変わりないですよね?フランスの方がお金が戻ってくる額にもよりますが安くなったりもします。ホテルや電話代の税金なんかも国内であれば返ってきます。
香港の会社の初年度は驚きの法人税75%オフ。
本題ですがようやく香港の会社の締めを完了しました。
どこの国も面倒くさいのは一緒ですけど、イギリスとフランスは基本ペーパーレス。クラウドに領収書を乗せればよかったのが香港は全ペーパー!!レシートもオンラインで買ったものも全部印刷して会計士さんに送りました。
もう一点違ったところはサインをする欄。香港にはカンパニーチョップという判子のようなものがあって、それをサインと合わせて毎回ペタッとしないといけない点です。

ちょっと分かりにくいですけど付箋が出ている場所がサイン+判子するところ。会計士さんは私が提出した
銀行取引明細書・領収書・請求書・その他の契約書を元にしてこちらの会社の決算をしてくれました。
基本的には法人税(香港の法人税は16.5%)の額の計算が私から見れば目玉のイベントですが、何と今年(2016年4月から2017年の3月)の法人税は75%割引という何とも意味不明ですが素晴らしくラッキーなディスカウント受けました。初年度だから?なのか分かりませんが・・・
ただ払う額としてはこちらの法人税は決算の年+来年の予測法人税の支払いをします。初年度に2年分の法人税を払うことになります。なので予測していた通りに法人税を払うことになります。
タイムラインとしては:初年度の決算は会社設立から18ヶ月後に最初の決済。そこからは毎年3月締めになります。この決算の年末は国によって違います。フランスは12月、イギリスは3月です。香港はイギリスの植民下にあったので会計もイギリスと同じ(なのかな?)と思います。日本は好きに選べるそうです。(3月・9月・12月)
ちなみにかかった費用は:
会計士(1名)が決算審査(Audit)もして16500HKD. (24万)
フランスの会社も似たり寄ったりですがイギリスの会社はもう少し高い感じです。(35万くらい。)会計士さんのお仕事ってやった時間を換算してくるので事前にいくら、って提示してくれるわけでも無いんですよね。
なので今、香港の会社にかかる費用は:(1年)
オフィス住所とレジストレーション費用等(維持費用)=5800HKD・程度
会計士:16500HKD
郵便代(全部オリジナル送付なので結構かかる):1万くらい
計:33万5千円くらい。
こうやってみると結構お金かかってますねー!笑
気がつかなかったー!
香港に会社があることでのメリットは?
香港の会社で良いなと思う所は
★経費で落とせるものが多い。
今後変わるかもしれませんが、”香港の経費で落とせるもの”とかグーグル検索するととにかく何でも落とせる、って出てきます。例えば自宅兼オフィス。他の国では50%以上は経費で落とせなかったりするんですが香港では市場価格であれば、Liceance agreementという契約書を自分と会社の名前で交わします。
Licence Agreement
日付
私(賃貸契約を交わした本人)と私の会社(Brightest bug)の間で
いくら(montly licence fee)で貸し出しします。
サイン
私 x 私
こんないかにも自分で作りました、っていう書類なんですけどきちんとした経費の証明になるんですね。
★家具とかも
自宅で仕事しているわけですから家具とかも経費で落としました。
★配当に所得税がかかりません。
決算が終わり法人税を払い終わった後の残りは株主に配当で渡す事が可能なのでそれを所得税払わず!と喜んでいたら会計士に「2017年の3月から9月までの決算を済ませて、仮配当を出します。」と。頼まれた資料をまたまた全部送って、計算してもらってこの額を支払って良いですよ!とオッケーが出た彼の請求書がその額の19.5%。所得税も法人税も16.5%なので実は黙って所得税払っといた方が楽だし、お得だったというオチ。笑えますね。
でも確かに会社がもっともっと儲かっていたら、会計士の支払額は変わりませんので節税出来た額は多いですよね。
最後に
ここ5年でフランス・イギリス・香港の法人の決算をしましたが、どこの国もそれなりに面倒です。笑 お金が帰ってくる、節税、の箇所はどの国も書類が多くなって面倒になります。
例えばフランスの消費税の過払いを返金してもらう手続き、領収書を一枚一枚スキャンして、何に使っただとかものすごい数の書類を提出したらそのまま2カ月音沙汰なし、また担当者にメールしたら休みを挟んで無くしたからまた送ってくれなど結局半年くらい粘ってようやくお金が返ってきたこともあります。
イギリスは経費の幅が狭い分、楽ですけど稼ぎすぎた時の法人税はガツンと来ます。ただ一律20%なので払いすぎている感じでもなく。書類の手間もほとんど無しです。期限に遅れたりするとペナルティで取られるのでその辺がシビアで取られる所取られます。
香港は一番法人税が安いですけど書類の手間はオリジナルが必要な分面倒だと感じました。1年目だから来年から少しやり方のコツがつかめれば楽になるのでしょうか・・。
アップルが脱税で何だかんだ言われていましたが、どの会社もどこかで法人税を払うんです。その本社をできるだけ税率の少ない国にするのは良いんですが、その後自分にお給料を払うときに結局所得税の高い国に住んでいたら結局何かしら払うことは逃れません。
いくら国内の法人税を上げたり(下げたり)よく政治家の話題に出ますけど、お金持っている人はいくらでも合法に税金から逃れる方法を知っているんです。結局の所税金を払うのはこういった中小企業や個人なんですよね・・・。