
MBA (MASTER IN BUSINESS AND ADMINISTRATION)
日本語で言うと経営学修士(けいえいがくしゅうし)
こんな私も2011−2012年でロンドン・パリに半年づつ、半分英語で、半分フランス語で取得しました。1年で卒業出来るのと、英語とフランス語両方で授業を受け、専門用語も両方で習ったので特に今の会社(フランスの顧客ベースで本社はイギリス)なので、結果だけ見るとやくに立って居ますが。ヨーロッパでMBAをやるとどんな感じか、どんなスキルが学べるのか?仕事に繋がるのか?学費、生活費は?色々書き出してみようと思います。
1)イギリスとフランスの学び方の違い。
もともとフランスの有名校だったのでパリでの授業に期待を寄せて居たんですが授業のクォリティーは期待に反してイギリスの方が断然よかったです。
イギリスは:1−3くらいまでを説明して皆で4、5、6をブレーンストーミングしながら7−10をプレゼン、みたいな自分達で考え出して”イノベーションとは?”とか”Disruptive techonology” 破壊的技術(はかいてきぎじゅつ)を身を持って体験?考えて見たり。
++破壊的技術とは必要性を感じなかったのに今はなくては生きていけない、次世代のステップになったイノベーション。例えばスマートフォンとか海外のタクシーアプリのUBER, アマゾンの登場でのネットショッピングなどが例。+++
授業の例で言うと、Business Entrepreneurship (起業学)みたいな授業があったんですが、起業とは、とかセオリーは何もなしで、こういった商品を作ってる会社があります。経営がうまく行ってません。どんな問題がありますか?1−3までの骨組みを(問題を見つける)与えてもらったあとに
4。この商品を他の既存の商品とくっつけられるとしたら何があるか?
5。くっつけて見たら生まれる相乗効果とは何か
6。相乗効果で生まれた偶然の産物みたいな商品を他誰に売ることが出来るか?
7−9くらいで4−6からでたアイディアをまとめて10で先生が
「みんなのアイディアは素晴らしい。でももう少し視線を伸ばして見ると、ほらこんなマーケットにも手を出せる、こう行った形でも売れる、ほら、すごいでしょ」と70近いおじいさんが超ウキウキに話をしている授業だったんですが、初めてSF映画を見た感覚で「すごい、確かにすごい売上の可能性を秘めている、この商品!」と私までウキウキワクワクしたのを覚えて居ます。
確かこの時は「カーナビ生産が右肩下りの会社の例」をとって、カーナビにまた未来の光を灯した感覚があったんです。残念ながら詳細は忘れたんですけどね。w

クラスメイトの誰かが「俺、未来系のカーナビを作って電気自動車のかっこいい外見にコラボさせる!」って言ってたら夢見ちゃって・・なんてバカにしてたかも。
長くなりましたが、これに比べてパリは。
マーケティングの授業とかも20年前のケーススタディとか、先生たちの態度も「やる気あるのかな?」って言う感じで会計学の授業以外(先生がいい人だった)ほぼ記憶にないです。
やたらつまらない話を聞け!と言うタイプの先生が多くてがっかりしました。
でもさすがネーミング力はすごくて「ええ、あそこの有名校を出たの?」という感じで驚かれます。(多分全然頭良さそうに見えないから。笑)
2)実際に仕事に使えるのか
冒頭で言ったようにフランスとイギリスに会社があるのである程度、会計や経営の知識としてはやくに立っているけれども、セオリーと実務はまた違います。でもセオリーが分かっている分、何でこの実務が必要なのかわかるだけいいのかなと思います。
有名校だったので就職としては面接にはとりあえず呼ばれますがヨーロッパは何しろ就職難。そしてフランスは特に”xx代表の姪”とか”家族の友達”なんかの縁で仕事が決まってしまうので最終選考まで行ったけど面接もこの上なくうまく行ったのに落とされたのでたぶん知り合いの人を雇ったよね、と言う悲しい事も。ま、私も結局元同僚の引き合いで今の仕事も、その前のインターンも見つけたので人のこと言えないですけどね。
例えばIncome statement: (損益計算書)

勉強した時は暗記しなきゃ、みたいな程度でしたが今や3ヶ月にいっぺんは必ずチュックすべきもの。会社の家計簿のようなもの。でも家計簿は「今月のお給料ー食事代、保険、電話、家賃、残りいくら」で終わりますけど、会社はその”残りいくら”に税金がかかるわけです。しかも会社やるまであまり気にしてなかったんですけど 売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期利益、当期純利益といっぱいあるわけですよ。ざっと言うと売上利益で年商5千万!とか言ってておおおお!とか思いますけど、コストが4千800万かかってたら年収200万からさらに法人税が引かれる額が社長のお給料、になるので全然儲かってないじゃん、って話になります。
とりあえず会社をやる中で小企業にとって一番いいのは、お金でもらうより会社で買えるものは会社で買う、(パソコンとか、電話とか、旅行もお客がいれば会いに行くことで会社から落とせる)そうすると節税になるし、税引前当期利益が少なければ払う法人税が少なくなり、当期純利益はそこから株主配当になるんですがそれにも所得税がかかるので、そう言う訳で私はよくふらっと旅行に行っている訳なんです。笑。
3)実際にいくらかかっていつくらいに還元したか?
私は1年でしたが学費が計200万くらい。(どん。)私立だったので。
パリの公立でやる学士は確か5万くらいなのかな?ビジネスとかエンジニア等の科目はないですけど。
しかもヨーロッパの方が北米よりはるかに安いので義弟が出た学費は確か年間5万ドル。(600万弱。)学士は年間1千万くらいかかるところがザラです。
そう見ると200万は高くない?かなw
ロンドンはおばあちゃん家にいたので家賃はただ。食費は高いけど1日15ポンドxいた日数で計算したら足りました。+交通費。パリはアパート代が500ユーロ、食費は1日10ユーロで計算して週末出かけるくらいお釣りが出ます。(出かける時間と気力もなかったんですけどね。)
思い出すだけで一番お金がかかったのがコーヒーとビール代かな。
卒業生の年収の平均が48000ユーロ。志願書を出した時点のレートでは700万くらいだったのですげーーって思ってましたが私の周りではコンサルにならない限りこんなお給料もらってる子は少なくともパリでは見ませんでしたね。笑 ロンドンでは物価が高いので居ました。
いつ還元したのか?去年は香港に引っ越しし、またヨーロッパに戻ってきたので引っ越し貧乏でしたけどベルギーに越してきてから家計がギリギリラインを乗り越えてプラスになった気がします。なので5年ほどしてようやく高い買い物ではなかったな、という感じ。
4)今後のMBAの使い道
今、旦那も研究職で私も家から仕事してるのでオフィスがある訳でもないからどこにでも思えば住めるんです。旦那もイタリアの大学のプロジェクトに参加してて、年に数ヶ月イタリアでも過ごせるよ、アメリカの旦那の実家も超広いしそこから働いても・・とか夢は膨らむんですけど、今子供がもう幼稚園も年中さんの年なので住む場所に長期滞在をするなら現地の学校とかに行かせる?手続きもめんどくさいし、ましてイタリアの学校?え?
と言う感じだったので。私が今密かにプランしているのはこちら。
1)日本で古民家風の家を買って、フランス人のアーティストに貸す代わりに直すのを手伝ってもらう。
結構フランス人の友達で日本に行きたい!と言う知り合い多いんですけど、パリで知っている人はみんなほぼアーティスト。お金がないので貸す代わりにDIY上手だから直すの手伝ってよ、と言って貸し出すのもありかな、と思ってます。空き家になってて破格の値段で売られているので大きめなところを買って、家は住んでないと傷むので。住んでもらいつつ、日本のいい刺激を受けながらアーティスト活動してもらって、異文化を繋げる楽しいプロジェクトだな、と思いました。そしてスキー場、温泉から近い場所で。
2)ベルギーでお城を買う
古民家の逆でこちらでは3千万出せれば小さなお城が買えます・・笑
もちろん1億超えているところがほとんどですけど。
旦那はどちらかというとお城のがいいな、って言ってます。こっちで仕事してるから今ならローンで買えるかも?と言ってます。うまく改装すればお城ウエディングで航空券+空港送迎+ホテル+ウェディング+ベルギーでそんな仕事やっても楽しいか・・も?
MBAやってよかったのはこういう”目の付け所”でしょうか?
夢に見るだけじゃなくてやり方が分かる、というかやれる(妙な)自身があるところ、そしてその夢を伝えるとのてくれるであろうクラスメイトが必ずいる!のがMBAをやった財産なのかな。